全米騒然、パフダディことショーン”ディディ”コムズがやらかした第二のエプスタイン事件
パフダディで知られるショーン”ディディ”コムズが逮捕された。性的人身売買、恐喝、売春のための移送などの罪に問われている。この事件が「第二のエプスタイン事件」と呼ぶにふさわしい理由を、その内容を通じて説明する。
第二のエプスタイン事件
こころのところ芸能人やセレブ界隈の個人スキャンダルには反応していませんでしたが、今かなり騒がれているし、話が大きくなっているのでいったん取り上げておきます。
日本では「パフ・ダディ(Puff Daddy)」として知られるラッパーのショーン”ディディ”コムズが、性的人身売買と不法行為で起訴された件が、第二のジェフリー・エプスタイン事件のようになってる。
いま、彼と関係のあったセレブ達がツイ消しをしたり、この話題に触れないようにしたりして逃げの体勢に入ってる。つまりそれほどヤバいということだろう。このあたりもエプスタイン事件と同じ構図だ。
本題に触れる前にディディのキャリアを紹介しておくと、ショーン・コムズはニューヨークのハーレムでモデルで教師のアシスタントの母親と米空軍に所属する父親との間に生まれている。父親は彼が2歳の時に射殺されており、貧困な家庭で育ったという。
ハワード大学でビジネスを専攻していたが、2年目で退学した。その後成功して2014年に大学に戻り、博士号を授与されたが、逮捕されたことで取り消されている。
アップタウン・レコードでディレクターを務めた後、1993年に自身のレーベル「バッド・ボーイ・レコード」を設立し、ノトーリアス・B.I.G.のプロデュースで成功を収める。
コムズ自身もアーティストとして楽曲をリリースし、1997年のデビューアルバム「No Way Out」がビルボード1位を獲得し、第40回グラミー賞で最優秀ラップ・アルバム賞を受賞した。その後も活躍を続けている。
コムズには7人の子供がおり、ただし母親は何人かいるが、まあその辺は置いておく。
タイムライン:2023年
コムズはもともとトラブルメーカーでスキャンダルが多く、たびたび逮捕や訴訟などが起こっていたが、今回の件は2023年11月に歌手でモデルの「キャシー」ことキャッシー・ヴェンチュラが、レイプ、性的人身売買、身体的虐待などでコムズを提訴したことから始まっている。
キャシーは2005年にコムズのレーベルと契約したが、2007年~2018年まで長いことコムズと付き合っていた。その後2019年9月にパーソナルトレーナーと結婚している。
2023年11月16日:キャシーの訴え
キャシーは訴訟の中で、コムズから殴打やレイプを含む虐待を何年にもわたって受けてきたと主張した。時にはドラッグを服用させられ、他の男性とのセックスを強要され、関係を切ろうとしたらレイプされたと訴えた。コムズの弁護士はこの告発を激しく否定し、逆にキャシーを恐喝で訴えた。
2023年11月17日:電撃和解
翌17日、大谷翔平選手の打球スピード並みの速さでコムズとキャシーの和解が成立した。合意内容は定かではないが、後に検察が提出した書類によると、この和解はコムズがその後さまざまな証人を買収しようとする試みの始まりだったという。
2023年11月23日:女性2名が訴え
ジョイ・ディッカーソンともう1人の匿名女性が、コムズによる性的虐待を告発した。1990年代初頭の性的暴行、殴打、ドラッグ強制などの行為を主張した。コムズの弁護士は否定し、4月26日に訴えのいくつかを却下する申立をしている。
2023年11月28日:TV局の会長を退任
相次ぐ告発のため、コムズがケーブルテレビ局「リボルト」の会長を一時退任。
2023年12月6日:別の女性が訴え
別の匿名女性が2003年、17歳のときにニューヨークのレコーディング・スタジオでコムズと他の2人の男性にレイプされたと主張し、マンハッタンの連邦裁判所に訴訟を起こした。この女性はドラッグとアルコールを飲まされ、レイプされたと主張。コムズは即否定し、5月10日に棄却を求めて申し立てた。
2024年
2024年2月26日:音楽プロデューサーが訴え
2023年の『The Love Album』の9曲をプロデュースした音楽プロデューサーのロドニー・ジョーンズ・ジュニアが、性的接触を受け、売春婦とのセックスを強要されたとしてコムズを訴えた。コムズの弁護士は「でっち上げだ」と否定した。
2024年3月25日:強制家宅捜索
国土安全保障省捜査局(HSI)が、ロサンゼルスとマイアミのコムズ宅を早朝に家宅捜索した。コムズはマイアミの自宅におり、ロサンゼルスの自宅にいた2人の息子は捜索中に手錠をかけられたという。
この家宅捜索でセックスオイルやローションなど1000本以上発見された。翌26日にコムズは「軍隊レベルの重大な武力行使」だと強制捜査を非難した。
2024年4月4日:コムズの息子にレイプされたと訴え
コムズがチャーターしたヨットで働いていた女性に、コムズの息子クリスチャン・"キング"・コムズが性的暴行を加えたとして、ロサンゼルス高等裁判所に訴訟が起こされた。告訴状では、コムズが暴行に至る状況を作り出し、その後それを隠蔽するために金を払ったと主張している。コムズの弁護士は否定した。
2024年5月17日:キャシー暴行映像がリーク
2016年にロサンゼルスのインターコンチネンタホテルの廊下で、コムズがキャシーに暴行を加えている映像をCNNがリーク。この映像でコムズと思われる男性がキャシーを殴り、蹴り、床に押し倒し、倒れている彼女を蹴る様子が写っている。
翌日コムズは謝罪のコメントを出した。「あのビデオでの自分の行動には全責任がある。あの時は嫌悪感を抱いた。今はうんざりしている。専門家に助けを求め、セラピーに通い、リハビリ施設に通った。神に慈悲と恵みを求めなければならなかった。本当に申し訳ない。」
検察はこの映像だけではコムズを起訴できないとしており、ただし参考資料として使われることになる。
2024年5月21日:元モデルが提訴
モデルで女優のクリスタル・マッキニーが、2003年にニューヨークのレコーディング・スタジオのトイレでコムズに薬物を飲まされ、オーラルセックスを強要されたと告発。
2024年5月23日:別の女性が訴え
エイプリル・ランプロスが、ファッション工科大学の学生だった1994年にコムズから4件の性的暴行を受けたとして訴えた。
2024年6月10日:ニューヨーク市の名誉を取り消される
ニューヨーク市長エリック・アダムスが、コムズに授与していた名誉を取り消し、「市の鍵」を返却するよう手紙を送る。
2024年7月3日:元AV女優が訴え
元AV女優のアドリア・イングリッシュは、2004年から2009年にかけて、コムズの豪華なパーティーで行われた数々のイベントで、ゲストとのセックスを強要されたとして提訴。
2024年9月5日:ニューヨークに到着
コムズは起訴されて出頭することを想定し、マンハッタンのホテルにチェックインした。
2024年9月11日:ガールズバンドのメンバーが提訴
コムズがプロデュースしたガールズ・グループ「ダニティ・ケイン」の元シンガー、ドーン・リチャードが提訴。コムズから複数回にわたり体を触られ性的暴行を受けたほか、暴言を吐かれ、酷使されたと主張。
コムズ逮捕
2024年9月16日:ショーン・コムズ逮捕
大陪審の起訴後、コムズがマンハッタンのホテルで逮捕された。弁護士によるとコムズは出頭するつもりだったが、先に逮捕されたと述べた。
2024年9月17日:コムズの罪状が公開
起訴状によると、性売買、強制労働、売春目的の州間輸送、薬物犯罪、誘拐、放火、贈収賄、司法妨害に関与した、あるいは関与しようとしたという。女性を虐待し、暴力の脅しを使って、男性売春婦とのドラッグを使った乱交パーティーに参加させる犯罪企業のトップであったと説明している。
「フリーク・オフ」と呼ばれるこれらのパーティーは、演出されたセックス・パフォーマンスであり、高度に組織化されたパーティーだったと述べている。
彼らはホテルのスイートを予約し、セックスワーカーを募集し、コカイン、メタンフェタミン、オキシコドンなどのドラッグを配布して、パーティ参加者にセックスを強要し、彼らを従順にさせたという。また時には何日も続くパーティーから回復させるために点滴の供給を組織したとされている。
さらにコムズが「フリーク・オフ」を録画し、その映像を使って参加者に口止めを迫っているとも主張した。
有罪判決を受けた場合、コムズは15年~終身刑の判決を受ける可能性に直面している。
コムズの弁護士マーク・アグニフィロは、「フリーク・オフ」は合意の上だったと述べ、無罪を主張している。
関係が取り沙汰されているセレブ
コムズの逮捕により、さまざまなセレブの名前が挙がっている。このあたりの状況もエプスタインの時と同じだ。
ジェニファー・ロペス
コムズは1999~2001年までJ Loと付き合っており、2000年7月の写真にはベッドの上でコムズとJ Loがくつろいでいる姿が映っている。
アシュトン・カッチャー
カッチャーは2019年のインタビューで、ディディのパーティーについて聞かれ「言えないことがたくさんある」と答えた。
クロエ・カーダシアン
カーダシアンは2014年8月の『Keeping Up With the Kardashians』のエピソードの中で、コムズのパーティに出席したことについて「友達がいっぱいいて、半数の人がお尻丸出しだったと思う」と述べている。
アッシャー
アッシャーは1990年代に当時10代だったコムズと1年間暮らしたという。「かなりワイルドで、クレイジーだった」ちなみにアッシャーは最近ツイ消ししている。
ネットではニューヨークのハンプトンズのコムズの豪邸で開かれたパーティーの写真が流出している。このパーティーは「ホワイト・パーティー」と呼ばれ、参加者は白い衣装を着ている。
このパーティーでキモラ・リー・シモンズと当時の夫ラッセル・シモンズ、マシュー・ブロデリック、サラ・ジェシカ・パーカー、アリーヤ、レオナルド・ディカプリオらが写っている。
元麻薬ディーラーは、コムズのハンプトンズのパーディーについて「有名人同士がキメセクしまくっていた。 奥の寝室があって、まるで奥の院のようだった」と語っている。「女性ラッパーと娼婦が混在していた」
会場に到着したときにはすでに多くの参加者がすでにケタミンやGHBでハイになっていたという。「このような光景を目の当たりにして衝撃を受けたよ」
https://nypost.com/2024/09/19/us-news/sean-diddy-combs-hamptons-sex-parties-with-gay-rappers/
そのほかコムズのパーディーのゲストだったのは、パリス・ヒルトン、キム・カーダシアン、ハワード・スターン、ケリー・オズボーン、アレサ・フランクリン、マーサ・スチュワート、トミー・リー、パメラ・アンダーソン、レジス・フィルビン、ヴェラ・ワンゲ、ジェイ・Z、ビヨンセ、マライア・キャリー、ニック・キャノンなどが含まれている。
ボディーガード「フリークオフの政治家の動画がある」
コムズの元ボディガードだったジーン・ディールが、コムズの悪名高い「フリーク・オフ」パーティーに参加した政治家の動画を保管していると明かした。
https://www.dailymail.co.uk/news/article-13885699/diddy-bodyguard-videos-politicians-freak-offs.html
ディールによると「フリーク・オフ」はセレブパティーだったと述べたが、コムズの逮捕は「より大きなものの一部だ」と述べいている。
そしてニューヨーク市関係者の辞任や汚職疑惑が相次いでいることと「関連していると考えている」と語った。
そういえばここ最近、ニューヨーク警察や政治家の関係者などが家宅捜索を受けたとの情報が飛び交っているが、どのような疑惑かは明らかになっていなかった。
またディールによると、コムズ自身がキャリアの初期に音楽業界の重鎮たちから被害を受けたことをほのめかし、彼は訓練され、音楽ビジネスを教えられたのだと言っている。
「コムズはモンスターとして生まれたのではなく、モンスターにされたんだ。彼は自分がされたことを他人にもしていた。」
「彼自身が招いたことだ」
コムズの右腕クリスティーナ・ホーラム
ジェフリー・エプスタインにギレーヌ・マックスウェルという参謀がいたように、ショーン・コムズにも右腕とされるスタッフのクリスティーナ・ホーラムがいた。
コムズ・エンタープライズのスタッフだったホーラムは、コムズの参謀役だったという。
2021年にコムズはSNSで、ホーラムについて「彼女はこの8年間、僕の右腕でいてくれた。 彼女なしではどう機能するかわからない。」と投稿していたようだ。
37歳だというホーラムは訴状の中で、コカイン、GHB、エクスタシー、マリファナ・グミなどの麻薬を混ぜた「ファニーパック」をコムズの従業員に持たせ、いつでも使用できるように準備させていたと主張されている。
またホーラムは「性的人身売買ベンチャーに、故意かつ意図的に参加し、実行し、援助し、支援し、促進した」といい、もう一人の従業員に「フリーク・オフに参加するセックスワーカーを集めさせた」という。
エプスタイン事件は闇のまま
以上のように、今のところエプスタイン事件と似ている。
現在コムズは自殺監視に置かれているといい、エプスタインのように獄中で死なないよう見張られているとのことだ。
しかしエプスタインが死んだとき、監視カメラはなぜか作動しておらず、見回りの監視員もサボっていたとされた。
エプスタイン事件の関係者はマックスウェル以外、誰も逮捕も起訴もされておらず、真相は闇のままだ。トランプは大統領になったら、エプスタイン文書を公開すると述べている。
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