もはや民主党は沈みゆく船か――民主党の資金調達団体アクトブルーが崩壊の危機
長らく民主党の資金調達を担ってきた組織アクトブルーに調査のメスが入った。彼らのグレーな資金調達がやり玉に挙がっている。その手口スマーフィングとは。そしてアクトブルーの危機について書いた。
民主党の迷走
昨日ここでジョー・バイデンが大統領時代に行った署名が、オートペン(自動署名装置)によるものではないかという疑惑について書いた。
もしこれが事実だと証明されれば大変なことになるだろう。バイデンは誰かに操られていたということになり、アメリカ国民はおろか世界を壮大に騙していたことになるからだ。
民主党はこれからどうするのか。
かつて民主党支持者だった億万長者のヘッジファンドマネジャー、ビル・アックマン氏は、いまや完全に民主党を見限っている。先日ポッドキャストに出演し、「彼らは本当に自分たちを窮地に追い込んだ。 民主党は完全に再起動する必要がある」と述べた。
アックマン氏は2024年大統領選挙でドナルド・トランプを支持し、民主党から離れた。
民主党はトランプという最大の敵に負けた今、明らかに迷走している。それはトランプを批判すること以外、明確なビジョンを持たなかったからではないのか。
そんな民主党を支えてきた資金調達団体アクトブルーが、いま危機に陥っているという。
ダークマネー資金団体アクトブルー
アクトブルーは2004年に設立された民主党の資金調達団体である。オンライン・プラットフォームを通じて、民主党候補者、左翼団体、左翼活動への寄付を促進している。
民主党の資金調達団体はほかにもいくつかあるが、アクトブルーほどの規模を持つものはないという。設立以来、アクトブルーは160億ドル以上を集めたと言われている。
このアクトブルーが混乱に陥っている。少なくとも7人の幹部職員が辞任し、弁護士もプレッシャーに晒されている。
この離脱は、共和党が同団体の調査を行っているさなかに起こったという。
ここのところ、民主党には圧倒的な資金調達能力があり、共和党は後塵を拝してきた。それはアクトブルーによるところが大きかっただろう。
もしアクトブルーが縮小もしくは崩壊するようなことがあれば、民主党は資金調達に支障をきたすことになる。民主党はアクトブルーに依存してきたからだ。
スマーフィングとは
個人が気軽にオンラインで献金できるアクトブルーは、ダークマネー団体の疑いが取り沙汰されてきた。ダークマネーとは寄付者の素性がわからない献金のことである。
彼らは「スマーフィング」と呼ばれるマネーロンダリングスキームを使い、資金の出所をわからなくしていたという。
特定の候補者への献金には上限額があり、この制限を回避するために実際の献金元を偽装する手口で大口献金を分割することなどの手法を使う。また全然関係のない一般市民の氏名を不正に利用することもある。
連邦選挙運動法(FECA)
企業や組合が連邦候補者に直接献金することは禁じられている。
外国人の献金は禁じられている。
個人が候補者に寄付できる額を制限している。(小選挙区で3,300ドルまで)
献金を偽装
ここでもよく取り上げるが、隠しカメラ取材でおなじみのジェームズ・オキーフ氏は、アクトブルーの献金名簿に載っていた個人を調査している。
フロリダ州フェルナンディナ・ビーチに住むフリドリッチ夫妻は、アクトブルーに3年間で30万ドルも寄付している記録に「そんな寄付はしたことがない」と否定した。
ネバダ州ラスベガス在住のエレーナ・ビューロー氏は、約830件、総額約11万1000ドルの献金をしている記録を見せると、「デタラメだ」と述べた。
ユタ州ソルトレイクシティに住むマリリン・シアラー氏は、自分の名前で約3,600件で総額13万3000ドルを寄付している記録を見せられ、信じられないと首を振った。
見ず知らずのアカの他人の名前を無断で使い、献金したように偽装しているのである。
共和党が調査に乗り出す
2024年、共和党議会はアクトブルーの資金調達について調査を始めた。
選挙公正研究所(EFI)が献金を調べた結果、使われている住所や電話番号の多くが疑わしいことが明らかになった。どの人物も引っ越したばかりか、電話番号を変えたばかりで、不適切だったという。
またアクトブルーがクレジットカードのCVVコードを検証していなかった事も判明した。
さらにプリペイド式クレジットカードや外国のクレジットカードからの寄付を受け付けていたことが明らかになった。その中には制裁下にある国からの寄付も受け入れていた。
19州がアクトブルーの調査を行い、ID盗難が主張されている。https://x.com/QuantusInsights/status/1898055861911928846
幹部が逃げ出している
調査が進行する中、アクトブルーの内部で混乱が起こっているという。
2月に、法務、カスタマーサービス、資金調達のトップを含む7人の幹部がアクトブルーを去った。
アクトブルーの法務部に最後まで残っていたザイン・アフマド弁護士は、社内プラットフォームへのアクセスが遮断され、メッセージも削除されたという。アフマド弁護士は現在休職している。
アクトブルーの労働組合は、「組織の不安定さが民主党のキャンペーンを支援する能力を弱める可能性がある」と警告する書簡を理事会に送った。
アクトブルーのカスタマーサービス担当副社長であるアリッサ・トゥーミーは、2月28日にSNSに以下のような投稿をした。
「14年以上にわたってアクトブルーのあらゆることに取り組んできたが、そろそろリセットの時期だ。 次の冒険のためにコースを設定する前に、意図的に一時停止している。」
私は以前このサブスタックで、「アクトブルーはトランプ政権発足後、おそらく追求されるだろう」と書いた。どうやらそれが現実になっているようだ。
ただでさえ民主党は力を失っているのに、グレーな資金調達まで失ったら今後どうするのだろう。
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